私たちは自分たちの仕事を「職人的な仕事」と表現します。といっても、刃物やカトラリーなどの金属をひたすら磨く仕事というイメージではなく、どちらかというと「料理人」のイメージに近いです。料理人は調理をするだけではなく、食材や道具を選んだり、メニューの構成を考えたりと様々な仕事があります。例えば「レシピ」。レシピ通りにつくるのは簡単ですが、いいレシピをつくるには、個人の経験や知恵が必要になりますね。
同じように、我々の製品も、どのメーカーの材料を使うか? 分析装置で解析したデータの意味することは何か? どこを変えたらどんな化学反応・副反応が出るのか? など、様々なことを考えるために幅広い知識や経験が必用になります。大企業と違い、一人ひとりが全体を俯瞰しながら自分の知識と経験を活かして仕事をしていけるというのが、大変だけど面白いところ。私たちは20名の会社ですが、少数精鋭の「職人集団」であり続けるために、日々、高純度を追求する姿勢を大切にしています。
大学では、主に物質の合成・反応・変化を研究する有機化学の研究に取り組んでおり、せっかくならこれまでの経験を活かし、さらに知識や技術を磨いていける会社に就職したいと考えました。
群馬から愛知へ進学したこともあり、地域を問わず就活をしていたところ、自分の研究内容と共通する部分が多い事業をしているオルガノサイエンスに出会いました。スマートフォンから大型テレビまで、広くディスプレイ市場で採用が進む「有機EL材料」への興味はもちろん、海や新鮮な魚介に恵まれた御前崎という土地にも心を惹かれ、入社を決めました。
工場の中で反応釜を使い有機EL材料を製造しています。最終的な製品として出荷するためには、出来た粗体の純度を高める必要がありますが、主たる反応とは別に副反応で意図しないものができたり、過程で投入した溶媒が混ざったりするため、それを取り除く工程が肝要です。
大きい会社だと工程の一部分だけ担当するということも多いようですが、オルガノサイエンスでは基本的に1人が1つの化合物を担当。実験から出荷までトータルで担当するため、幅広く知識や技術が必要です。
ただ、スキル不足を心配することはありません。現場の仕事は言うなれば実験の大きいバージョン。新人時代は、今後の業務で製造する化合品を実験のスケールでつくろうというテーマが与えられ、2カ月の研修期間を経て現場に入ります。先輩から基本的な装置の使い方、具体的な実験・分析方法などを学び、スキルを身に付けた上で製品づくりへと入っていくことができます。
新人時代、思うように作業が進まなかったとき「失敗しても我々に言ってくれたらすぐ助けられる。逆に伝えてくれないと工場全体が大変なことになるかもしれない。相談すれば全部丸く収まるから、いいんだよ」と言ってくれた先輩がいました。
品質の高い有機EL材料を効率的に製造する。会社の目標を成し遂げる一員として、まずは指さし確認で工程を確認しながら作業すること、そして、困ったら素直に助けを求めることを大事にしています。もし後輩ができたときには、先輩方のように広い視野と多くの知識・技術力で頼られる人になりたいです。
私自身もそうですが、有機化学の分野が好き・実験が面白いと感じる人には合う世界だと思います。様々な機関で日々新しい反応が発見されますが、「この反応は今の仕事のこの部分を改良するのに役立ちそう」「じゃあ実験室で試してみよう」ということは、どんどんやっていきたいです。共感できる方はぜひ一度、見学に来てください。
2021年に新設された第三工場の工場長として、製造部門で働くスタッフのサポートをしています。主には、製造の計画・管理や設備の状況確認・維持管理をしているほか、ISOの管理責任者として品質マネジメント・情報セキュリティの向上など、お客様の期待に応えられる製品の提供ができるよう取り組んでいます。
納期に間に合うことはもちろん、個人個人が自分のいいところを発揮しながら仕事ができるよう、作業環境や人間関係、割り振る仕事などを調整するのが私の役目です。
弊社では、製造現場と実験・研究開発がほぼ直結しています。もし、製造プロセスで現場の社員がなにか疑問に思うことややトラブルに繋がる可能性があると感じた場合、即座にその作業担当者がラボで実験できます。例えば、釜の温度を100℃に上げたいがスケールによって熱の伝わり方が違い、タイムラグが原因で純度が上がらないなどといった場合はラボに戻し、どうすれば製造現場で使えるプロセスになるか検証します。
製造と実験を同じ人が行うということは珍しいかもしれませんが、弊社の場合はほぼ全員が実験をします。量産においては問題が生じるとコストが増大するため、即座に実験室で確認できる環境があることで、改善のサイクルが速まり、それが技術力の向上にもつながっているのだと思います。
前述の通り、弊社では実験をすることが多く、分析の結果を見ながら話し合うミーティングが日常的に行われています。
有機EL材料の研究開発には、材料を作る際の有機合成やその材料の物性の知識など、多くの知を結集する必要があります。そのため、実験が頻繁に行われることは、会社にとっても大事なことです。
「やってみたい」という熱意があればかなり自由にチャレンジできる社風のため、化学・実験が好きという人は大歓迎です。大手ではできない経験ができると思います。
第一製造所の工場長として、有機EL材料の生産計画、製造部門で働くスタッフのサポートをしています。第一製造所では、実験規模の小さなスケール(数グラム~数百グラム)でつくられた材料を、大きなスケール(数キログラム~数百キログラム)で量産するための製造プロセスを構築します。
生産計画を立てる際は、それを誰に担当してもらうか、技術の習熟度や各自のスケジュールなどを考慮し、適材適所で進められるように意識しています。
また、製造プロセスを構築する際は、小さなスケールの条件が、そのまま大きなスケールで再現されるわけではなく、実際には、反応条件や精製条件の改良が必要です。その際は、高品質な製品をより安く、より安全かつ安定的に製造できるよう、担当者と共に考えるなど、製造スタッフのサポートをしています。
弊社のコンセプトとして、一つのものを10 人が関わってつくるのではなく、1つの製品を1人が最後まで責任を持って仕上げるという共通認識があります。一般的な企業では、1つのものを何人かのグループでつくり上げていくのが普通ですので、責任も伴いますが必ず周りのサポートがあります。独り立ちできる頃には、実験・改良・製造・分析と様々なスキルを身につけることができるため、技術者としてそれぞれの能力が上がっていきます。
有機ELの需要は増加を続けており、我々としては99.99%を上回る高純度の有機EL材料を提供し続けたいと考えています。基本的には製造フローの指示通りに進めればできますが、中には例外も出てきます。また、最初から99.99%の製品が出来上がるわけではないため、それに対してどう対処するか? 「工程をもう1つ増やそうか」「ここを変えてみよう」など相談を重ねながら、世界一の品質を目指しています。ベテランになればなるほど、経験値をもとに自己解決できることも増えていきます。彼らの改善能力を高めていくのも、私のミッションです。
業界では常に技術が進化しているので、入社してからも日々勉強が大事だと感じます。そうした個人の努力や創意工夫は成果に表れるため、会社もきちんと評価してくれます。失敗したとしても「次へ」「次へ」と行動力のある、業界をリードしてくれるような若者を待っています。
社名 | オルガノサイエンス株式会社 |
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創業 | 2006年9月 |
資本金 | 1,500万円 |
代表取締役社長 | 岡本一男 |
代表取締役会長 | 岡本景壽 |
従業員数 | 22名(2024年10月現在) |
売上高 |
23億2743万円(2022年12月実績) 13億8963万円(2023年12月実績) |
事業内容 |
有機EL材料の量産製造 高純度有機合成薬品の製造 原料の輸入調達および販売等 |
所在地 |
〒437-1613 静岡県御前崎市合戸2125-1 |
電話番号 | 0537-85-6200 |
メールアドレス | soumu@organo-science.com |
関連会社 | ウシオケミックス株式会社 |
認証取得 |
ISO9001(2008年12月取得) ISO27001(2016年12月取得) |
オルガノサイエンスは、静岡県御前崎市にある有機合成薬品を受託・製造する化学メーカーです。主に、「液晶の次」と呼び声が高い有機ELディスプレイに使われる発光材料「有機EL材料」の合成・製造をしています。有機ELとは、電気を流すと発光する有機化合物のこと。これを用いた有機ELディスプレイは、一般的な液晶とは違い、自発光するためバックライトを必要とせず、極限までの薄型化が可能。また、パネルの細かな点灯制御や高いコントラストによって、美しい映像を家庭でも楽しむことができるのが、今注目の産業として期待される所以です。
現在、スマートフォン市場では既に液晶から有機ELへと主役が交代し、テレビ市場でもサムスンやLGディスプレイなどの韓国メーカーが量産へ向けて積極投資しています。タブレット端末やノートパソコン、その他のハイエンド製品のディスプレイのほぼ全てに、有機EL材料が波及するでしょう。今後、企業の製品戦略や投資戦略において有機ELの存在感が増す中で、私たちオルガノサイエンスは、より高品質で、安全で、安価で、スピーディーなモノづくりができる職人集団を目指しています。
有機化合物の構造同定や、最近では、一部製品の定量分析などにも使用しています。
低分子量の不純物分析に使用し、反応条件の最適化、精製方法の検討に活用しています。
微量金属の分析に使用し、製品の純度を補完しています。
微量金属の分析に使用し、製品の純度を補完しています。
数gスケールの昇華が可能なラボ機です。製品を出荷先で昇華精製したときに不具合が無いかを確認するために使います。
低分子量の純度分析に使います。
HPLCよりも高速で分析できるため効率化の一環で使用しています。
不純物の同定に使用し、反応条件の最適化、精製方法の検討に活用しています。
ハロゲンイオンの分析に使用し、製品の純度を補完しています。
微量金属の分析に使用し、製品の純度を補完しています。
原料から製品まで幅広く、純度分析に使います。
製造に使用する原料を検査します。
少量スケールで先行テストをし、製造に問題ないことを確認します。
反応釜を使用して、有機ELを製造します。
製品の品質検査を行います。(製品の純度、微量金属の含有量など)
高純度の有機EL材料を納品します。
高純度の有機EL材料を安定的に製造できるように日々研究・開発を行い改善策を練ります。
会社の指定するアパートに入居された方には、入社から10年間は、家賃の全額を補助します。入社11年~15年までは、家賃の3/4を補助します。40歳になった時点で補助制度は終了となります。
新入社員研修や外部研修(技術セミナー)などで、会社が承認した研修への参加ができる制度です。
「危険物取扱者 甲種または乙種4類」、「フォークリフト運転技能者」、「有機溶剤作業主任者」、「特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者」、「作業環境測定士」など会社の指定する資格の取得について、初回の受講料を会社が負担する制度です。
※その他、各種社会保険や補助制度も充実させています。
職種 | 製造スタッフ(有機合成薬品の製造) |
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募集人数 | 1~2名 |
募集学科 | 化学系の学部(有機合成を学んだ方) |
勤務地 | 静岡県御前崎市 |
選考方法 | 面接、筆記試験(有機化学、一般常識)、適性検査 |
提出書類 | 履歴書、成績証明書、健康診断証明書 |
勤務時間 | 8:00~17:30 ※休憩時間90分(午前15分、昼休み60分、午後15分) |
休日・休暇 |
週休二日制(土・日)、GW、夏季休暇、年末年始休暇 有給休暇:一日有休、半日有休、時間有休での取得が可能 |
給与 |
高専生:250,000円 大学卒:270,000円 修士了:290,000円 博士了:310,000円 昇給:年1回(4月) 賞与:年2回(6月、12月) |
各種手当 | 通勤手当、住宅手当、家族手当、役職手当 |
福利厚生・社内制度 |
各種社会保険完備(健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険) 退職金制度あり(中小企業退職金共済への加入) 社宅・家賃補助制度あり(入社から10年間は、全額補助) 研修制度あり(新入社員研修、外部研修(技術セミナー)への参加) 資格取得補助制度あり(初回受講料は全額補助) |
採用実績 |
大学院:東京工業大学、東京農工大学、静岡大学、静岡県立大学、東海大学、豊橋技術科学大学、中部大学 大学:静岡理工科大学、神奈川大学、東京農業大学 |
採用に関するお問い合わせ、
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会社説明会も開催しております。
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優れた勘、知識、経験で
純度99.99%を上回る
世界一の有機EL材料を目指す
当社は、これまで、長年に渡り高純度有機化合物を提供し続けてきています。
現在の主力製品となっている有機EL材料については、市場の拡大に伴い、工場の増設と、人員増強をして参りました。直近では、2021年に第三工場が一部稼働しています。第三工場のフル稼働に向けて、20代を中心に採用活動をしていく予定です。
私たちのミッションは、お客様から依頼された化合物を高純度で開発・製造し、需要に合わせて大量生産できるようスケールアップしていくことです。
ラボと同じ方法のまま製造規模を上げたのでは、品質やコストに課題が出てくるため、実験と分析を繰り返しながら改良していきます。スケールアップと聞くと「ただ量をつくればいい」と思うかもしれませんが、高純度化学品の製造プロセスには、料理人のように、優れた勘と、知識、経験が必用です。
また、合成する化学構造も時代と共に変化していくため、それにも順応できなければなりません。今後も、社員全員が99.99%を上回る世界一高純度を目指し、有機合成技術・精製技術・微量分析技術を磨き、顧客に感動を与えられるような製品を提供していきたいと思います。